パルミトイルオリゴペプチドとは…成分効果と毒性を解説

抗シワ成分 抗老化成分
パルミトイルオリゴペプチド
[化粧品成分表示名称]
・パルミトイルオリゴペプチド

アラニンアルギニンアスパラギン酸グリシンヒスチジンリシンプロリンセリンおよびバリンの中から選ばれた2種以上のアミノ酸からなるアミノ酸ペプチドとパルミチン酸との反応生成物です。

皮膚に対する主な効果は、線維芽細胞を活性化してエラスチンやコラーゲンの産生を促進することによるシワ改善作用です。

エラスチンやコラーゲンは、以下の肌図をみてもらえるとわかると思いますが、

真皮の潤い成分一覧

網目状になっているコラーゲンの交差している部分を強化している線維がエラスチンで、お互いに真皮の弾力を支える重要な役割を担っており、線維芽細胞の活性が衰えてくると、エラスチンやコラーゲンの産生も減少していき、時間が経つにつれてシワやたるみの原因となります。

パルミトイルオリゴペプチドは同じくシワ改善作用のあるパルミトイルテトラペプチド-7とセットで使用されることも多いのですが、以下のシワ改善および皮膚弾力性試験によると、

24人のボランティア(平均年齢56.1歳)を用いてマトリキシル3000(パルミトイルオリゴペプチド+パルミトイルテトラペプチド-7)の皮膚若返り効果に関するin vivo試験を行った。

3%マトリキシル3000配合クリームとプラセボクリームをそれぞれ顔の半分に朝および夜間の1日2回、2ヶ月間にわたって適用したところ、56日後に0日目の結果と比較したとき、マトリキシル3000を適用した側で深いシワおよび肌荒れが統計的に有意に減少し、一方でプラセボクリームは0日目の結果と統計的に有意な差はなかった。

また、56日後に0日目の結果と比較した場合、マトリキシル3000を適用した側で統計的に有意な皮膚弾力性および色調の増加が生じた(文献1:2014)

といった試験結果が明らかになっています。

実際にパルミトイルオリゴペプチドがどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

パルミトイルオリゴペプチドの配合製品数と配合量の調査(2014年)

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パルミトイルオリゴペプチドの安全性(刺激性・アレルギー)について

パルミトイルオリゴペプチドの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

パルミトイルオリゴペプチドの安全データはみあたりませんが、

  • パルミトイルトリペプチド-1:グリシン、ヒスチジンおよびリシンのアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物
  • パルミトイルヘキサペプチド-12:アラニン、グリシン、プロリンおよびバリンからなるアミノ酸ペプチドとパルミチン酸の反応生成物

これらは、パルミトイルオリゴペプチドでも使われるアミノ酸であり、場合によってはパルミトイルオリゴペプチドはパルミトイルトリペプチド-1またはパルミトイルヘキサペプチド-12であるともいえるため、これらの安全データで代用します。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Tripeptide-1, Hexapeptide-12, their Metal Salts and Fatty Acyl Derivatives, and Palmitoyl Tetrapeptide-7 as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

– パルミトイルトリペプチド-1 –

  • [ヒト試験] 10人の健康なボランティアの背中に0.1%パルミトイルトリペプチド-1を含む製剤0.02mLを単一48時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去30分後に反応を評価したところ、一次刺激スコアは0であり、皮膚刺激または有意な皮膚不耐性は観察されず、二次的影響の証拠もなかった

– パルミトイルヘキサペプチド-12 –

  • [ヒト試験] 10人の成人ボランティアの背中に0.02%パルミトイルヘキサペプチド-12を含む製剤の50%希釈物を単一48時間閉塞パッチ適用し、反応を評価したところ、一次刺激スコアは0であり、皮膚刺激または有意な皮膚不耐性は観察されず、二次的影響の証拠もなかった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激はなく、配列としてパルミトイルオリゴペプチドも類似しているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験データはみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Tripeptide-1, Hexapeptide-12, their Metal Salts and Fatty Acyl Derivatives, and Palmitoyl Tetrapeptide-7 as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

– パルミトイルトリペプチド-1 –

  • [ヒト試験] 52人の被検者を用いてパルミトイルトリペプチド-1のヒト反復鎮痛パッチ試験を行なった。誘導期間において週3回合計9回にわたって24時間パッチを適用し、2週間の休息期間を挟んで誘導期間に適用した試験部位に隣接する未処置部位に24時間チャレンジパッチを適用した。パッチ適用24および72時間後に反応を評価したところ、誘導期間およびチャレンジ期間にほとんど知覚できない反応~中等の反応が観察されたが、これらの一時的で低レベルの反応は臨床的に重要ではないと考えられ、パルミトイルトリペプチド-1は臨床的に皮膚刺激またはアレルギー性接触感作の有意な可能性を示さなかったと結論づけられた

– パルミトイルヘキサペプチド-12 –

  • [ヒト試験] 53人の健康な成人ボランティアを用いてパルミトイルヘキサペプチド-12を含む試験物質の50%希釈物のヒト反復鎮痛パッチ試験を行なった。誘導期間において合計8回にわたって48時間閉塞パッチを適用し、続いてチャレンジパッチを適用した。パッチ適用後に反応を評価したところ、皮膚刺激および皮膚感作は観察されなかった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚感作は観察されず、配列としてパルミトイルオリゴペプチドも類似しているため、皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
パルミトイルオリゴペプチド ■■

参考までに化粧品毒性判定事典によると、パルミトイルオリゴペプチドは■■(∗2)となっていますが、これは合成界面活性剤共通の判定です。

試験結果をみるかぎり、刺激性および感作性もなく、化粧品に配合する場合には安全性に問題ないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

パルミトイルオリゴペプチドは抗シワ(抗老化)成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗シワ(抗老化)成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Tripeptide-1, Hexapeptide-12, their Metal Salts and Fatty Acyl Derivatives, and Palmitoyl Tetrapeptide-7 as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR633.pdf
    > 2018年4月6日アクセス.

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