コメヌカの基本情報・配合目的・安全性
化粧品表示名 | コメヌカ |
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医薬部外品表示名 | コメヌカ |
部外品表示簡略名 | 米ヌカ |
INCI名 | Oryza Sativa (Rice) Bran |
配合目的 | 研磨・スクラブ、増量 など |
1. 基本情報
1.1. 定義
イネ科植物アジアイネ(学名:Oryza sativa 英名:Rice)の果皮、種皮、胚芽、澱粉層などの粉末です[1a]。
1.2. 分布
アジアイネ(アジア稲)は、ジャポニカ亜種(日本型)とインディカ亜種(インド型)に大別され、ジャポニカは日本、中国北部、韓国、朝鮮、台湾などで栽培され、インディカはインド、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、中国南部などの広い地域で栽培されています[2]。
世界的に多く生産・消費されているのはインディカ米であり、世界の米の生産量は中国、インド、インドネシア、バングラデシュ、ベトナム、タイなどで高く[3]、一方日本においては新潟県、北海道、秋田県を中心に全国各地で栽培されています[4]。
2. 化粧品としての配合目的
- 研磨・スクラブ
- 増量
主にこれらの目的で、洗顔料、洗顔石鹸、パック製品などに使用されています。
以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。
2.1. 研磨・スクラブ
研磨・スクラブに関しては、コメヌカは天然に存在する果皮・種皮類であり、物理的に古い角質を除去する研磨・スクラブ剤として洗顔料などに使用されています[1b]。
2.2. 増量
増量に関しては、コメヌカはそのままだと容量や重量が足りない場合に分量を増やす増量剤として洗顔パウダー、洗顔石鹸、パック製品などに使用されています[1c]。
3. 安全性評価
- 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
- 30年以上の使用実績
- 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)
このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
以下は、この結論にいたった根拠です。
3.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)
医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
3.2. 眼刺激性
試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。
6. 参考文献
- ⌃abc日本化粧品工業連合会(2013)「コメヌカ」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,419.
- ⌃杉田 浩一, 他(2017)「こめ」新版 日本食品大事典,297-305.
- ⌃農林水産省(2016)「生産量と消費量で見る世界の米事情」, 2022年1月11日アクセス.
- ⌃農林水産省(2021)「作況調査(水陸稲、麦類、豆類、かんしょ、飼料作物、工芸農作物)」, 2022年1月11日アクセス.