アーモンドの基本情報・配合目的・安全性

アーモンド

化粧品表示名称 アーモンド
医薬部外品表示名称 アルモンド核仁末
医薬部外品表示名称(簡略名) アーモンド核仁末
化粧品国際的表示名称(INCI名) Prunus Amygdalus Dulcis (Sweet Almond) Seed Meal
配合目的 研磨・スクラブ増量 など

1. 基本情報

1.1. 定義

バラ科植物アーモンド(学名:Prunus amygdalus var. dulcis, syn. Prunus dulcis 英名:Sweet Almond)の種子の粉末です(∗1)[1]

∗1 「syn」は同義語を意味する「synonym(シノニム)」の略称です。

1.2. 分布と歴史

アーモンドは、地中海沿岸地方原産と考えられており、14世紀にはヨーロッパ全土で利用が広がり、1850年代に米国カリフォルニア内陸地域で導入にされた経緯を経て現在は主にスペイン、イタリア、米国カリフォルニアなどで生産されています[2a][3]

日本においては、明治時代に渡来したものの風土が適さなかったことから普及に至らず、現在はほとんどを米国カリフォルニアからの輸入に依存しています[2b][4]

1.3. 化粧品以外の主な用途

アーモンドの化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
食品 焙煎したり味付けしてそのまま食用として用いたり、スライスしたもの、刻んだもの、粉末にしたものが菓子製造や料理の材料として用いられます[2c]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品に配合される場合は、

  • 研磨・スクラブ
  • 増量

主にこれらの目的で、洗顔料、ボディケア製品、ボディソープ製品、パック製品、ピーリング製品、ボディ石鹸、入浴剤などに使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 研磨・スクラブ

研磨・スクラブに関しては、アーモンドは天然に存在する種子であり、物理的に古い角質を除去する研磨・スクラブ剤として洗顔料、ボディケア製品、ピーリング製品などに使用されています[1b][5]

2.2. 増量

増量に関しては、アーモンドはそのままだと容量や重量が足りない場合に分量を増やす増量剤としてボディ石鹸などに使用されています[1c]

3. 配合製品数および配合量範囲

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2002年の調査結果になりますが、以下のように報告されています(∗2)

∗2 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品は、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

アーモンドの配合製品数と配合量の比較調査結果(2002年)

4. 安全性評価

アーモンド油の現時点での安全性は、

  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 30年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[6a]によると、

  • [ヒト試験] 19人の被検者に0.01%アーモンドを含む石鹸を対象に単回皮膚刺激性試験を実施したところ、PII(Primary Irritation Index:皮膚一次刺激性指数)は0.0-4.0のスケールで0.05であり、この試験物質は実質的に非刺激剤に分類された(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1977)
  • [ヒト試験] 86人の被検者に0.01%アーモンドを含む石鹸を対象にHRIPT(皮膚刺激性&皮膚感作性試験)を実施したところ、試験期間を通じていずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作を示さなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1977)

このように記載されており、試験データをみるかぎり共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

4.2. 眼刺激性

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ[6b]によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に未希釈のアーモンドを適用し、適用後7日目まで眼刺激性を評価したところ、この試験物質は実質的に非刺激剤に分類された(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1974)

このように記載されており、試験データをみるかぎり眼刺激なしと報告されているため、一般に眼刺激性はほとんどないと考えられます。

5. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「アーモンド」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,103.
  2. abc杉田 浩一, 他(2017)「アーモンド」新版 日本食品大事典,1-2.
  3. 中野 龍平(2008)「アーモンド」果実の事典,547-551.
  4. 鈴木 洋(2011)「扁桃(へんとう)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,423
  5. 柴谷 順一・渡辺 博(1990)「最近の化粧品用樹脂の動向」色材協会誌(63)(4),217-225. DOI:10.4011/shikizai1937.63.217.
  6. abR.L. Elder(1983)「Final Report on the Safety Assessment of Sweet Almond Oil and Almond Meal」Journal of the American College of Toxicology(2)(5),85-99. DOI:10.3109/10915818309140716.

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